円錐角膜
円錐角膜とは
角膜の中央部が進行性に薄くなり、前方に突出する疾患です。
思春期に発症することが多く、その原因は不明です。進行程度により、裸眼視力が低下したり、強い近視性乱視や不正乱視による矯正視力の障害をきたす場合があり、ハードコンタクトレンズの適応となります。また、著しく進行した場合、角膜移植が行われる場合があります。
当院では次のような検査を行います。
・視力測定
・角膜曲率半径(角膜のカーブの程度をしらべます)
・角膜形状装置にて角膜形状を解析(角膜に同心円を投影し、その歪み具合により、角膜の形状を解析してカラーマップに表します。角膜全体の形状や角膜乱視を確認するのに役立ちます)
![[乱視なしの角膜形状]](images04/seijou.jpg)
[乱視なしの角膜形状]
![[乱視ありの角膜形状]](images04/ranshi.jpg)
[乱視ありの角膜形状]
![[円錐角膜]](images04/ensui.jpg)
[円錐角膜]
円錐角膜とハードコンタクトレンズ
円錐角膜が進行してくると、不正乱視が強くなり、眼鏡やソフトコンタクトレンズでは、視力が出にくくなってきます。
ハードコンタクトレンズは不正乱視を矯正するため、良好な視力が得られます。
コンタクトレンズの処方
・ハードコンタクトレンズ=円錐角膜の初期では、通常のハードコンタクトレンズの装用・矯正が可能です。
・ハードコンタクトレンズ(エッジ部のデザインを変更したもの)=円錐角膜が進行してくると、コンタクトレンズの上下方向のエッジ部分に浮き上がりが生じてきます。そのために、異物感が生じたり、レンズがずれやすい・はずれやすいなどの問題がでてきます。当医院では、より快適に装用できるようレンズのエッジ部分のデザインを微調整したものを処方しています。
・多段階カーブハードコンタクトレンズ(以下多段階カーブHCL)=通常のハードコンタクトレンズの光学部は1つのカーブにより成り立っていますが、多段階カーブHCLは、2~4段階のカーブになっています。円錐角膜が進行してくると、角膜の中心部と周辺部ではカーブの程度の差が著しくなってくるため、多段階カーブHCLにすることにより、次のような利点があります。
・レンズ周辺部の浮き上がりが軽減し、異物感が少なくなります。
・レンズの安定位置が改善され、見え方が安定します。
・レンズ周辺部の部分的な圧迫が軽減されて、角膜の負担が少なくなります。
・角膜中央部の形状を適度に保つことができます。
・円錐角膜による角膜移植後の処方も行っております。
加藤昌久 加藤医院々長
日本医科大学卒業
医学博士 眼科専門医
元東京女子医大講師